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2013年度研究会

●毎週木曜日、場所:工学部総合校舎4階 406講義室
*日付or内容(タイトル部分)をクリックすると、摘要をご覧いただけます。

発表日 時 間 発表者 内 容
2014年2月13日(木) 16:00〜 有井伴樹(M2) 【修論発表練習】Study on CDMA Systems with Primitive Root Codes (原始根符号を用いたCDMAシステムの研究)
16:30〜 入江哲史(M2) 【修論発表練習】Study on the high-precision Monte-Carlo computation using random number with nonuniform density (非一様乱数を使用する高精度モンテカルロ計算についての研究)
17:00〜 久世友博(M2) 【修論発表練習】Robustness of interdependent networks with degree-correlated inter-connections (次数相関を持って複数のネットワークが相互につながっている場合のロバスト性)
2014年2月6日(木) 13:00〜 大塚啓司郎(B4) 【卒論発表練習】スケールフリーネットワークにおける世論形成モデル
13:30〜 岡田大樹(B4) 【卒論発表練習】離散フーリエ変換検定法とその改良についての研究
14:00〜 長谷川史晃(B4) 【卒論発表練習】嗅覚系モデルにみられる神経集団システムの研究
2014年1月23日(木) 10:30〜 有井伴樹(M2) 【修論内容検討2】Study on CDMA Systems with Primitive Root Codes(原始根符号を用いたCDMAシステムの研究)
11:00〜 入江哲史(M2) 【修論内容検討2】Study on the high-precision Monte-Carlo computation using random number with nonuniform density (非一様乱数を使用する高精度モンテカルロ計算についての研究)
11:30〜 久世友博(M2) 【修論内容検討2】Robustness of interdependent networks with degree-correlated inter-connections(次数相関を持って複数のネットワークが相互につながっている場合のロバスト性)
2014年1月9日(木) 13:00〜 大塚啓司郎(B4) 【卒論内容検討2】複雑ネットワークにおける世論形成モデル
14:00〜 岡田大樹(B4) 【卒論内容検討2】チェビシェフ写像により得られるカオスな乱数の生成法とその検定
15:00〜 長谷川史晃(B4) 【卒論内容検討2】神経細胞の数理モデル
2013年12月12日(木) 13:00〜 大塚啓司郎(B4) 【卒論内容検討1】複雑ネットワークにおける世論形成モデル
14:00〜 岡田大樹(B4) 【卒論内容検討1】NIST SP 800-22のDFT検定と考案するDFT検定の新たなアルゴリズムについて
15:00〜 長谷川史晃(B4) 【卒論内容検討1】Dynamic Model of the Olfactory system
2013年12月5日(木) 13:00〜 有井伴樹(M2) 【修論内容検討1】信号の干渉雑音と誤り率の理論的解析
14:00〜 入江哲史(M2) 【修論内容検討1】モンテカルロ法における絶対的誤差と相対的誤差の決定要因について
15:00〜 久世友博(M2) 【修論内容検討1】Catastrophic cascade of failures in interdependent networks
2013年11月28日(木) 10:00〜 岡田大樹(B4) NIST SP 800-22のDFT検定法と周期性に関する他の検定法について
11:00〜 大塚啓司郎(B4) 複雑ネットワークにおける世論形成モデル
12:15〜 長谷川史晃(B4) 脳とニオイに関するカオス
2013年11月14日(木) 13:00〜 猶原僚也(M1) m-仲上フェージングモデルを適用したカオスCDMA通信システムの性能評価
14:00〜 長崎大都(M1) 負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスに関する考察
15:00〜 李佳(M1) べき則を持つ乱数を用いたモンテカルロ計算について
2013年11月7日(木) 13:00〜 大久保健一(M1) Froeschle写像とWeibull分布の関係とfour-dimensional 写像の紹介
14:00〜 亀山慎吾(M1) 原子時系発生システムの高精度化
15:00〜 清水智広(M1) 動的ネットワークに対する経路設計と修復アルゴリズム
2013年10月31日(木) 13:00〜 有井伴樹(M2) Safe prime を用いた原始根符号による信号の拡散と復元
14:00〜 入江哲史(M2) モンテカルロ法での楕円関数使用による性能変化の評価方法について
15:00〜 久世友博(M2) Catastrophic cascade of failures in interdependent networks
2013年10月24日(木) 13:00〜 佐藤彰洋 (助教) Geographical risk assessment based on socio-economic-environmental data: Japanese physical exposures
15:00〜 小川駿(研究員) An introduction to pattern formations in 2D fluids
2013年10月17日(木) 13:00〜 梅野健 (教授) カオス公開鍵暗号系について
15:00〜 五十嵐顕人 (准教授) 確率共鳴 ー揺らぎの効能ー
  2013年10月11日(金)〜13日(日)  セミナー合宿  *詳細は物理統計学セミナー合宿のページをご覧ください。
2013年7月25日(木) 13:00〜 大久保健一(M1) Froeschle写像を用いたハミルトン系カオスの解析とアーノルド拡散に対する現象論的アプローチ
13:40〜 清水智広(M1) 動的ネットワークモデルに関する経路設計問題と応用
14:20〜
猶原僚也(M1) フェージング環境下におけるカオス通信システムの性能評価:LSFの適用
15:00〜 長崎大都(M1) 負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスを適用した最適化アルゴリズムの性能評価
15:40〜 李佳(M1) 非一様乱数を使ったモンテカルロ法について
2013年7月11日(木) 13:00〜 森山慧(M3) 一方向回転性をもつ剛体の数値シミュレーション
14:00〜 有井伴樹(M2)  
15:00〜 入江哲史(M2) 非一様乱数を用いたモンテカルロ計算の性能とその評価法について
16:00〜 久世友博(M2) Catastrophic cascade of failures in interdependent networks
2013年7月4日(木) 13:00〜 五十嵐顕人 准教授 カオス暗号
14:00〜 佐藤彰洋 助教 Recursive segmentation procedure based on Akaike information criterion test
15:00〜 小川駿(D3) 長距離相互作用系の非平衡統計力学
2013年6月20日(木) 13:00〜 梅野健 教授 コミュニケーションの基本原理探求から誕生する新しいサイエンスの可能性
2013年6月13日(木) 13:00〜 Kung Yao 教授
(Distinguished Professor, Electrical Engineering Department, UCLA)
Using Deterministic Chaos for Superefficient Monte Carlo Simulations
2013年6月6日(木) 13:00〜15:00 長谷川 晃朗 氏
(国際電気通信基礎技術研究所(ATR)適応コミュニケーション研究所 スマートネットワーク研究室長)
スマートなネットワークを目指して
15:00〜16:00
場所:2階213講義室
磯貝 孝 氏
(日本銀行金融機構局
金融高度化センター・企画役)
金融機関の市場リスク管理とVaR・ESを通じたリスク計量
2013年5月30日(木) 13:00〜13:40 森山慧(M3) 一方向回転性をもつ剛体の安定性解析
13:40〜14:20 岩崎淳(M2)
(力学系理論分野)
情報処理とエントロピー生成
15:00〜 高橋 亮 氏
(京都大学大学院工学研究科
特定助教)
実数値カオス拡散符号を用いたCDMA通信方式
2013年5月23日(木) 13:00〜13:40 李佳(M1) 卒業論文とモンテカルロ法紹介
14:20〜15:00 亀山慎吾(研究生) 原子時系発生システムの安定化と高精度化
2013年5月16日(木) 13:00〜13:40 大久保健一(M1) Froeschlé 写像を用いたハミルトン系カオスの解析
13:40〜14:20 清水智広(M1) 最短路問題に対するALTアルゴリズムの高速化
14:20〜15:00 猶原僚也(M1) パワー一定カオス拡散符号を用いたCDMA通信の性能評価:ルベーグスペクトラムフィルタの適用
15:10〜15:50 長崎大都(M1) カオス理論に基づく最適化アルゴリズムについて
2013年5月9日(木) 13:00〜14:00 久世友博(M2) Catastrophic cascade of failures in interdependent networks
14:00〜15:00 入江哲史(M2) 新たなモンテカルロ法 ―イントロダクション― 
15:00〜16:00 有井伴樹(M2) 確率共鳴に関する研究のまとめと今後の神経科学に関する研究予定
2013年4月25日(木) 13:00〜 五十嵐顕人 准教授  
15:00〜 佐藤彰洋 助教 Econoinformatics meets Data-Centric Social Sciences
2013年4月18日(木) 15:30〜 梅野健 教授 「エネルギー、情報、そしてカオスについて」/B4紹介
2013年4月11日(木) 13:00〜 小川 駿(D3)
(元・力学系理論分野)
平均場モデルの準定常状態における線形応答と非平均場的臨界現象
15:00〜 吉村和之 氏
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所、元当研究室D出身)
NTT「非線形格子の局在波動 - Discrete Breather解の存在とスペクトル安定性」

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2014年2月13日(木)研究会(修論発表練習)

Study on CDMA Systems with Primitive Root Codes
(原始根符号を用いたCDMAシステムの研究)

有井伴樹 (M2)

Abstract

原始根符号を用いた, 雑音なし同期CDMA通信を考える.
各ユーザーに異なる原始根を割り当てたときの原始根符号の内積の分布を計算し, 誤り率の理論的解析を目指す.
そのときに, safe primeの効果を検証する.
また, 1人だけ異なる原始根を割り当てたときの誤り率を解析する.
最後に, 同じ原始根をもつユーザーのグループを2組用意し, 2組のグループのそれぞれの人数によって各ユーザーの信号の誤り率がどう変化するかを解析する.

(2014.2/13)

References
[1] D. Gerakoulis and E. Geraniotis, CDMA: Access and Switching for Terrestrial and Satellite Networks, John Wiley and Sons, 2001.
[2] K. Umeno, Independent Component Analysis of Chaotic Mixtures and Chaotic Anal-ysis [in Japanese], The Review of laser engineering 39(7), 488-494, 2011.
[3] H. Schulze and C. Luders, Theory and Applications of OFDM and CDMA, John Wiley and Sons, 2005.
[4] G. Yang and W.C. Kwong, Prime Codes with Applications to CDMA Optical and Wireless Networks, Artech House, 2002.

Study on the high-precision Monte-Carlo computation using random number with nonuniform density
(非一様乱数を使用する高精度モンテカルロ計算についての研究)

入江哲史 (M2)

Abstract

様々な写像を使用する高精度モンテカルロ計算の実践的方法について述べるとともになぜこの方法が通常のモンテカルロ計算より性能がよいのかについて説明します.

(2014.2/13)

Robustness of interdependent networks with degree-correlated inter-connections
(次数相関を持って複数のネットワークが相互につながっている場合のロバスト性)

久世友博 (M2)

Abstract

現在の社会では, ネットワークはそれ単体で存在するのではなく, 他のネットワークとも密接に関係している. そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で, ノードの消失の影響はどのように広がるのか. また繋がり方に相関を持つ二つのネットワークに関するロバスト性を示す.
今回は, 違う分野の方でもなるべく理解しやすいように, 言葉を選んで発表したいと思います.

(2014.2/13)

2014年2月6日(木)研究会(卒論発表練習)

スケールフリーネットワークにおける世論形成モデル

大塚啓司郎 (B4)

摘要

先行研究における世論形成モデルのアルゴリズムを紹介した後, 新しく提案する世論形成モデルのアルゴリズムを紹介する. 最後に両モデルにおける結果のばらつきの違いについて述べる.

(2014.2/6)

離散フーリエ変換検定法とその改良についての研究

岡田大樹 (B4)

摘要

擬似乱数検定ツールNIST SP 800-22の問題点についての考察と, DFT検定を基に考案したカオス性を検定する新たな擬似乱数検定法について述べる.

(2014.2/6)

嗅覚系モデルにみられる神経集団システムの研究

長谷川史晃 (B4)

摘要

本研究では, 嗅覚系モデルにみられるような神経集団システムの回路網の力学系の性質について考察した. 嗅覚系モデルなどのように神経細胞をモデルとして考えたときに, その力学系の性質としてカオスがみられることが知られている. 系の力学系の性質として, 平衡状態, 振動状態, カオス状態が考えられるが, 本研究では, 平衡状態, 振動状態までを考察した.
興奮性および抑制性の二成分からなる神経集団システムの力学系の性質を調べるために, 系の神経集団どうしの相互結合, 自己結合における荷重をパラメータとしておいて変化させたときに, パラメータが及ぼすサイクルの振動への影響をシミュレーションした.
また, 力学系が振動するためのパラメータの条件を求め, これが正しいことを示すために, 力学系が振動する時のリミットサイクルの内部の面積を解析的に求め, 求めたパラメータの条件のもとで, 面積が存在することを導き出した.

(2014.2/6)

2014年1月23日(木)研究会(修論内容検討2)

Study on CDMA Systems with Primitive Root Codes
(原始根符号を用いたCDMAシステムの研究)

有井伴樹 (M2)

Abstract

原始根符号を用いた, 雑音なし同期CDMA通信を考える.
本研究会では, 各ユーザーに異なる原始根を割り当てたときの原始根符号の内積の分布を計算し, 誤り率の理論的解析を目指す.
また, 1人だけ異なる原始根を割り当てたときの誤り率の理論的解析を, 前回の修正を交えながら議論する.
今回は新たに, 同じ原始根をもつユーザーのグループを2組用意し, 2組のグループのそれぞれの人数によって各ユーザーの信号の誤り率がどう変化するかを解析する.

(2014.1/23)

Study on the high-precision Monte-Carlo computation using random number with nonuniform density
(非一様乱数を使用する高精度モンテカルロ計算についての研究)

入江哲史 (M2)

Abstract

sin関数を使用する高精度モンテカルロ計算の実践的方法について述べるとともになぜこの方法が通常のモンテカルロ計算より性能がよいのかについて説明します.

(2014.1/23)

Robustness of interdependent networks with degree-correlated inter-connections
(次数相関を持って複数のネットワークが相互につながっている場合のロバスト性)

久世友博 (M2)

Abstract

現在の社会では, ネットワークはそれ単体で存在するのではなく, 他のネットワークとも密接に関係している. そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で, ノードの消失の影響はどのように広がるのか.
前回よりも, 近似の精度を高めることで得られた結果を示し, 修士論文へ向けてのまとめを行いたいと思います.

(2014.1/23)

参考文献
[1] Buldyrev,S.V., Parshani,R., Paul,G., Stanley,H.E. & Havlin,S. Catastrophic cascade of failures in interdependent networks. Nature 464 (2010) 1025-1028.

2014年1月9日(木)研究会

複雑ネットワークにおける世論形成モデル

大塚啓司郎 (B4)

摘要

様々なネットワークにおける世論形成モデルの先行研究について引用文献からNCOモデルを紹介する. またこのモデルを改良したモデルについて, その手順と実装上の注意点, 計算結果を紹介する. 最後に今後の課題と展望を述べる.

(2014.1/9)

チェビシェフ写像により得られるカオスな乱数の生成法とその検定

岡田大樹 (B4)

摘要

・カオスを生成することで有名な写像にロジスティック写像があり, このようなカオス写像を用いて乱数を生成する試みは多くの研究者に取り組まれてきた. このロジスティック写像と似た写像にチェビシェフ写像があり, この写像をもとにする乱数の生成法について考察し, またその乱数の検定法を考案したい.

・チェビシェフ写像は三角関数の倍角の公式で表現することができるが, ロジスティック写像もまた倍角公式を用いて表現することができる. カオスと倍角の公式は密接な関わりがあると思われ, チェビシェフ写像の乱数の検定法が一般にカオス乱数の検定にも有効であることが期待できるのではないか.

・二値乱数が新の二値乱数であるかどうか判定する, 複合の検定法をまとめた検定ツールがあるが, その著名な検定ツールに米国商務省標準技術局が公開しているNIST Special Publication 800-22がある. そのツールの評価法の1つであるDFT検定法に少し変更を加えることで, チェビシェフ写像をもとにする二値乱数の検定法を考案した.

(2014.1/9)

神経細胞の数理モデル

長谷川史晃 (B4)

摘要

神経回路網の動作の特徴をつかむために, なるべく単純化した神経細胞の数理モデルを考える.
またニューラルネットワークの非線形ダイナミクスについても少しふれる.

(2014.1/9)

2013年12月12日(木)研究会

複雑ネットワークにおける世論形成モデル

大塚啓司郎 (B4)

摘要

様々なネットワークにおける世論形成モデルの先行研究について引用文献からNCOモデル, ICOモデル, 2層構造ネットワークモデルを紹介する. さらに今後各モデルをどのように改良していくかついて述べる. 最後に今後の展望を述べる.

(2013.12/12)

NIST SP 800-22のDFT検定と考案するDFT検定の新たなアルゴリズムについて

岡田大樹 (B4)

摘要

・乱数が新の乱数であるかどうか判定する, 複合の検定法をまとめた検定ツールがあるが, その著名な検定ツールに米国商務省標準技術局が公開しているNIST Special Publication 800-22がある. そのツールの評価法の1つである離散フーリエ変換検定法の抱える問題点について考察しまとめた.

・前回はDFT検定とは全く異なる周期性に関する検定法を考案したが, 今回はDFT検定に基づき考案した新たな検定法を考案した.

・この検定法自体に理論的な間違いは無い. そしてこの考案法はある1つのフーリエ係数が「異常に」大きいような乱数の検定においては従来法より優るが, 複数のフーリエ係数が「異常」ほどではないが大きくなるといった乱数の検定においては従来法より精度が低いことが分かった.

(2013.12/12)

Dynamic Model of the Olfactory system

長谷川史晃 (B4)

摘要

W.J.Freemanの行ったシミュレーションのモデルと最近進められている研究について紹介する.
最後に, これからの研究の展望を述べる.

(2013.12/12)

2013年12月5日(木)研究会

信号の干渉雑音と誤り率の理論的解析

有井伴樹 (M2)

摘要

原始根符号を用いた, 雑音なし同期CDMA通信を考える.
本研究会では, 各ユーザーに異なる原始根を割り当てたときの原始根符号の内積の分布を計算し, 誤り率の理論的解析を目指す.
その過程での新たな発見を主に紹介する.
また, 1人だけ異なる原始根を割り当てたときの誤り率を数値シミュレーションし, 理論的解析を目指す.

(2013.12/5)

モンテカルロ法における絶対的誤差と相対的誤差の決定要因について

入江哲史 (M2)

摘要

3タイプのモンテカルロ法(非一様乱数タイプと一様乱数×密度関数タイプ, 非一様乱数×密度関数タイプ)における収束性能の絶対誤差と相対誤差についてお話しします.

(2013.12/5)

Catastrophic cascade of failures in interdependent networks

久世友博 (M2)

摘要

現在の社会では, ネットワークはそれ単体で存在するのではなく, 他のネットワークとも密接に関係している. そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で, ノードの消失の影響はどのように広がるのか.
今回は自ら構築した理論の整合性, またこの先の方向性を示したいと思います.

(2013.12/5)

参考文献
[1] Buldyrev,S.V., Parshani,R., Paul,G., Stanley,H.E. & Havlin,S. Catastrophic cascade of failures in interdependent networks. Nature 464 (2010) 1025-1028.

2013年11月28日(木)研究会

NIST SP 800-22のDFT検定法と周期性に関する他の検定法について

岡田大樹 (B4)

摘要

PB282643.jpg・乱数が新の乱数であるかどうか判定する, 複合の検定法をまとめた検定ツールがあるが, その著名な検定ツールに米国商務省標準技術局が公開しているNIST Special Publication 800-22がある. そのツールの評価法の1つである離散フーリエ変換検定法にはいくつかの問題点がある. その問題点を考察した引用文献の内容を紹介する.

・今回は, 従来のDFT検定(離散フーリエ検定)に代わる, 周期性に関する独自に考案した検定法についても紹介する.

・数値計算の結果, 自分の思う「周期性」を内在する乱数の検定においては今回考案したもの方が優れていることが分かったが, そもそもその「周期性」はDFT検定の対象とする「周期性」とは異なるものなのではないかということに後になって気付いた.

(2013.11/28)

複雑ネットワークにおける世論形成モデル

大塚啓司郎 (B4)

摘要

PB282651.jpg様々なネットワークにおける世論形成モデルの先行研究について引用文献からNCOモデル, ICOモデル, 2層構造ネットワークモデルを紹介する. またこれらのモデルを用いた際の最も大きなクラスターのサイズに関する計算結果等も合わせて紹介する. 最後に今後の展望を述べる.

(2013.11/28)

脳とニオイに関するカオス

長谷川史晃 (B4)

摘要

PB282661.jpgはじめに, ニオイについて今まで行われてきた実験や考察を紹介する.
次に, これらの結果より, カオスの役割について述べる.
最後に, これからの研究の展望を述べる.

(2013.11/28)

2013年11月14日(木)研究会

m-仲上フェージングモデルを適用したカオスCDMA通信システムの性能評価

猶原僚也 (M1)

摘要

PB142449.jpgまず, 厳密に直交するカオス符号(原始根符号)について簡単に紹介する.
次に, フェージングのモデルとして代表的で一般的な形で表現できるm-仲上分布について述べる.
その中のレイリー分布を持ったフェージングを導入した上でのシミュレーション結果を報告する.

(2013.11/14)

負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスに関する考察

長崎大都 (M1)

摘要

PB142460.jpg負の自己相関を持つカオスノイズが最適化に有効であり, その有効性について分析する.
まず, そもそも有効である問題と有効でない問題の区別や, どのような問題に対して, どのようなrを取るときが最適なのか, というところ
を分析する.
その後今回は, rを時間ごとに可変にすることで, さらなる近似最適解の性能が向上するか, について考察, 性能評価を行う.

(2013.11/14)

べき則を持つ乱数を用いたモンテカルロ計算について

李佳 (M1)

摘要

PB142463.jpgベキ則の研究背景と経済学意味を紹介する. 経済学によく出る関数の積分に着目し, べき則を持つ乱数を用いたモンテカルロ計算について, 特にコーシー分布を含むべき則を不変測度とするカオス写像, エルゴード変換をモンテカルロ法に応用する場合を考察する.

(2013.11/14)

2013年11月7日(木)研究会

Froeschle写像とWeibull分布の関係とfour-dimensional 写像の紹介

大久保健一 (M1)

摘要

20131107-okubo.jpg今までの発表で、Froeschle写像の距離に関する分布がWeibull分布にしたがうことを話したが、中心極限定理を用いてその理由を説明する。さらにFroeschle写像以外にArnold webをつくるfour-dimensional写像を紹介する。

(2013.11/7)

参考文献
[1] C Froeschle, E Lega, "On the structure of symplectic mappings. The fast Lyapunov indicator: A very sensitive tool", CELESTIAL MECHANICS & DYNAMICAL ASTRONOMY, 78, 1-4(2000), pp.167-195.
[2] レイリー分布, MATLAB&Simulink-MathWorks 日本
[3] 一様乱数を使う, 渡辺宙志
[4] I.ガットマン, S.S.ウィルクス著「工科系のための統計概論」石井恵一, 堀素夫訳, 培風館, 昭和49年
[5] 標的問題の解とχ分布

原子時系発生システムの高精度化

亀山慎吾 (M1)

摘要

20131107-kameyama.jpg原子時系は多数の原子時計を平均、合成することでつくられる時系である。これまでは主に日本標準時ついて、その安定度を中心に研究してきたが、今回の発表では米国で用いられる時系アルゴリズムを紹介し、この時系においてLSFを用いることにより高精度化が可能かどうかについて発表する。

(2013.11/7)

参考文献
[1] Yuko Hanado, "A study for upgrading of an atomic timescale generating system" 博士論文, 電気通信大学, (2008).
[2] Y.Hanado, M.Imae, M.Aida, M.Hosokawa, H.Ito, F.Nakagawa, and Y.Shimizu, "Generation and Dissemination of Time and Frequency Standard", 通信総合研究所季報, Vol.49, Nos.1/2, (2003), pp.145-156.
[3] M. Weiss and T.Weissert, "AT2, A New Time Scale Algorithm : AT1 Plus Frequency Variance", Metrologia, Vol.28, (1991), pp.65-74.
[4] T. Kato et al, "Performance Improvement of Heuristic Algorithms for Large Scale Combinatorial Optimization Problems using Lebesgue Spectrum Filter", WCCI 2012 IEEE, pp.10-15, 2012.
[5] Symmetricom web ページ

動的ネットワークに対する経路設計と修復アルゴリズム

清水智広 (M1)

摘要

20131107-shimizu.jpg静的なネットワークに構造変化の概念を取り入れることで現実に起こり得る複雑な状態の再現が可能となる。しかしその一方で、経路探索などを行う際には静的ネットワークと比較して扱いが困難であり、問題解決への効率的なアルゴリズムの設計には多くの課題が残されている。

今回は動的ネットワークの経路探索について、まず扱うモデルの定義を説明し、2点間移動の実用的経路を求めるアルゴリズムの紹介を行う。
さらに、実用経路を求めた後にネットワークに変化が生じた際の経路修復に関するアルゴリズムのアイディアと、今後の計算機実験の指針について述べる。

(2013.11/7)

参考文献
[1] E. W. Dijkstra. A note on two problems in connection with graphs. Numeriche Mathe-matik, vol. 1, 269-271, 1959.
[2] Andrew V. Goldberg, Haim Kaplan, and Renato F. Werneck. Reach for A*: Efficient point-to-point shortest path algorithms. Technical Report MSR-TR-2005-132, Microsoft Research, Microsoft Corporation, 2005.
[3] I. C. M. Flinsenberg. Route Planning Algorithms for Car Navigation. Doctoral thesis, Technische Universiteit Eindhoven, 2004.
[4] J.Inagaki, M.Haseyama and H.KITAJIMA. A Meyhod of Determining Various Solutions for Routing Application with a Genetic Algorithm.
[5] K.Leibnitz, T.Shimokawa, F.Peper and M.Murata. Maximum Entropy Based Randomized Routing in Data-Centric Networks.

2013年10月31日(木)研究会

Safe prime を用いた原始根符号による信号の拡散と復元

有井伴樹 (M2)

摘要

PA312371.jpg原始根符号を用いた、雑音なし同期CDMA通信を考える。
本研究会では、各ユーザーごとに異なる原始根を割り当て、信号がうまく復元できるかを検証する。
各素数は原始根を持っているが、ある条件を満たした素数(safe prime)を用いて原始根符号を構成すると、どのような特徴が生まれるかを、数値実験を通して検証する。

(2013.10/31)

モンテカルロ法での楕円関数使用による性能変化の評価方法について

入江哲史 (M2)

摘要

これまでは三角関数の写像(非一様準乱数)を使用したモンテカルロ計算の評価を行っていましたが、今回は包括的な楕円関数の写像(非一様準乱数)を使用した場合の性能の評価をどのようにするべきかについて説明します。

(2013.10/31)

参考文献
竹内端三『楕圓函數論(岩波全書74)』(岩波書店,1936年)

Catastrophic cascade of failures in interdependent networks

久世友博 (M2)

摘要

PA312375.jpg現在の社会では、ネットワークはそれ単体で存在するのではなく、他のネットワークとも密接に関係している。そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で、ノードの消失の影響はどのように広がるのか。
今回はシミュレーション結果だけでなく、構築した理論を出来るところまで説明したいと思います。

(2013.10/31)

参考文献
[1] Buldyrev,S.V., Parshani,R., Paul,G., Stanley,H.E. & Havlin,S. Catastrophic cascade of failures in interdependent networks. Nature 464 (2010) 1025-1028.

2013年10月24日(木)研究会

Geographical risk assessment based on socio-economic-environmental data: Japanese physical exposures

佐藤彰洋 (助教)

摘要

20131024-佐藤先生.jpg2011年3月11日に起こった東日本大震災では東北太平洋沿岸に津波による大きな被害が発生したが国内の他地域においても同様の被害の可能性は存在するのであろうか?アメリカ海洋大気圏局により公開されている過去1000年間に発生した津波カタログデータを用いることにより日本国内都市機能が晒されているリスクについて調べた結果を報告する。さらに国内航空ネットワークの構造に着目した国内58民間空港のリスク評価結果について述べる。

(2013.10/24)

An introduction to pattern formations in 2D fluids

小川駿 (研究員)

摘要

2次元流体におけるパターンは, 地球表面の大気の流れ, 海流, 木星の大赤斑など, 自然界の様々なところで見られる[1, 2].
これらのパターンについて理解するために, 統計力学による研究が為されてきた.
今回は, まず, 点渦系をベースにしたOnsagerの理論[3]を紹介する.
さらにEuler方程式の非圧縮性とCasimir不変量を考慮に入れたMiller-Robert-Sommeria(MRS)理論[4,5]の紹介を行う.
これらの統計理論は静的なパターンを記述するために用いられてきたが, 2次元流体には動的なパターンも見られる[6].
また, Casimir不変量による拘束条件を考慮する必要があることなどから, 静的なパターンであっても, MRS理論による記述が困難なこともある.
そこで, Euler方程式のダイナミクスをベースにした, パターン形成へのアプローチを紹介する.

本発表は, Julien Barr'e氏(ニース大), 森田英俊氏(京大理), 山口義幸氏(京大情報)との共同研究に基づく.

(2013.10/24)

参考文献
[1] F. Bouchet and A. Venaille, Phys. Rep. 515, 227 (2012).
[2] N. J. Balmforth, P. J. Morrison, and J. L. Thiffeault, arXiv:1303.0065.
[3] L. Onsager, Nuove Cimento. Supple. 6, 279 (1949).
[4] J. Miller, Phys. Rev. Lett. 65, 2137 (1990),
[5] R. Robert and J. Sommeria, J. Fluids. Mech. 229, 291 (1992).
[6] H. Morita, arXiv:1103.1140.

2013年10月17日(木)研究会

カオス公開鍵暗号系について

梅野健 (教授)

摘要

PA172185.jpgPA172191.jpg1部は、全体を通した講評、及び個々の発表に対する講評、2部は特に、Diffie-Hellmanプロトコルのデジタルカオス写像による拡張の結果(Umeno, 1999, 2002,2003,2005)と今後の展望について述べる。特に有限状態で可逆となるカオス写像が構成できることがポイントとなるので、その点を詳しく説明する。

(2013.10/17)

参考文献
梅野、”複雑系と通信”複雑系としての情報システム(共立出版,2007)

確率共鳴 ー揺らぎの効能ー

五十嵐顕人 (准教授)

摘要

PA172193.jpgある種の非線形系に信号とノイズを入力すると、ノイズの大きさを適切に調整することによって出力から信号検出が最適化される。確率共鳴のこれまでの研究について説明し、この現象が多自由度にした場合にどのようになるのかを調べる。

(2013.10/17)

2013年7月25日(木)研究会

Froeschle写像を用いたハミルトン系カオスの解析とアーノルド拡散に対する現象論的アプローチ

大久保健一(M1)

摘要

20130725-大久保君.jpgFroeschle写像の解析方法としてFLIダイアグラムの紹介をするとともにChirikov,Arnold両拡散の軌跡について考察する。
さらに異常拡散として扱われるArnold拡散の現象論的アプローチの簡単な導入を行う。

(2013.7/25)

参考文献
[1]Soya Shinkai.無限エルゴード系の特異ゆらぎとハミルトン系の異常緩和の解明. PhD thesis, 早稲田大学, 2012.
[2]島本憲夫, 非整数階微分によるフラクタル構造体の輸送特性のモデリング, 博士論文(東京大学), 2011.
[3]島本憲夫, 非整数階微分による異常拡散のモデル化について(その1), 2013,0723.

動的ネットワークモデルに関する経路設計問題と応用

清水智広(M1)

摘要

20130725-清水君.jpg複数のノードとリンク、加えて各種パラメータによって構成されるネットワークという数理モデルは、その拡張性の高さから様々な分野で応用されている。
なかでも二つのノード間を移動する経路を探索する問題に関しては、古くから多くの研究者により多くの派生問題が提案され、それを解くアルゴリズムが発見されてきた。
本発表では、ネットワークに関する経路設計問題の派生例をいくつか紹介する。
加えて、時間経過などによりネットワークのパラメータや要素が変化する動的ネットワークにおける経路設計問題の汎用性の高さとその複雑さを述べると共に、当該分野における今後の展望を述べる。

(2013.7/25)

参考文献
[1]Stuart E. Dreyfus. An appraisal of some shortest-path algorithms. Operations Research,17(3):395-412, 1969.
[2]Hanif D. Sherali, Kaan Ozbay, and Shivaram Subramanian. The time-dependent shortest pair of disjoint paths problem: Complexity, models, and algorithms. Networks,31(4):259-272, 1998.

フェージング環境下におけるカオス通信システムの性能評価:LSFの適用

猶原僚也(M1)

摘要

20130725-猶原君.jpgまず初めにCDMA通信モデルの概要について解説する。
次に、フェージング環境下ではフェージングの強さによってLSFのパラメータの最適値が変わることを報告する。 
非同期+フェージングという状況下でのシミュレーション結果も時間があれば示す。

(2013.7/25)

参考文献
[1]Institute of Systems, Control and Information Engineers “実数値カオス拡散符号による大容量通信方式”, Ryo Takahashi, Ken Umeno(2011)
[2]IEICE TRANS.FUNDAMENTALS.VOL.E85-A NO.4 APRIL “Construction of Optimal Chaotic Spreading Sequence Using Lebesgue Spectrum Filter” Ken UMEN and Akihiro YAMAGUCHI, Regular Members(2002)
[3]Fundamental Theory and Applications,VOL.48.No9 “Design of Spread-Spectrum Sequences Using Chaotic Dynamical Systems and Ergodic Theory”(2001)
[4]The Institute of Electronics Information and Communication Engineers “複素ルベーグスペクトラムフィルタを適応した符号の評価” 行田悦資,高橋亮,梅野健
[5]ELECTRONICS LETTERS 24th June 1999 Vol.35 No.13 “Interference minimisation by autocorrelation shaping in asynchronous DS-CDMA systems : chaos-based spreading is nearly optimal” G.Mazzini,R.Rovatti and G.Setti
[6]IEEE 2000 “Optimal Chaotic Spread Spectrum Sequences for Uplink CDMA Systems” Chi-Chung Chen,Kung Yao,Ken Umeno,Ezio Biglieri
[7]IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,Vol.COM 25,No.8,August 1977 “Performance Evaluation for Phase-Coded Spread Spectrum Multiple-Access Communication-Part I : System Analysis” MICHAEL B.PURSLEY

負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスを適用した最適化アルゴリズムの性能評価

長崎大都(M1)

摘要

20130725-長崎君.jpg初めに簡単に、近似アルゴリズムやカオス的ダイナミクスについて説明する。
そしてルベーグスペクトラムフィルタ(LSF)を粒子群最適化法、遺伝的アルゴリズムに適用し、性能評価を行う。
また、最適な負の自己相関についても様々な方面から考察する。

(2013.7/25)

参考文献
[1] J. Kennedy and Russell Eberhart, "Particle Swarm Optimization", IEEE Int Conf. on Neural Network, 4, pp.1942-1948, 1995.
[2] M.A. Abido, "Optimal Design of Power-System Stabilizer Using Particle Swarm Optimizaiton" IEEE Transaction on Energy Convertsion, Vol.17, No.3 pp.206-213, 2002.
[3] K. Iwasaki and H. Aoki, "PSOを用いた多目的最適化手法による電圧無効電力制御", 東海大学紀要工学部, Vol.47, No.2, pp.49-54, 2007.38
[4] K. Umeno and M. Hasegawa, "Solvable Performance of Optimization Neural Networks with Chaotic Noise and Stochastic Noise with Negative Autocorrelation", ICONIP LNCS4984, pp693-702, 2008.
[5] M. Hasegawa, "負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスを用いたヒューリスティック解法の性能改善", IEICE Technical Report, NLP, pp.59-64, 2011.
[6] K. Umeno and A. Yamaguchi, "Construction of Optimal Chaotic Spread-ing Sequence Using Lebesgue Spectrum Filter", IEICE Trans, Vol.E85-A, No.4, pp849-852, 2002.
[7] M. Hasegawa et al, "相互情報量を保持するサロゲートデータを用いたカオスノイズの組み合わせ最適化への有効性の解析", IEICE Trans, E80-A, pp.206-213, 1997.
[8] T. Kato et al, "Performance Improvement of Heuristic Algorithms for Large Scale Combinatorial Optimization Problems using Lebesgue Spec-trum Filter", WCCI 2012 IEEE, pp.10-15, 2012.
[9] K. Umeno, "Chaotic Monte Carlo Computation : A Dynamical Effect of Random-Number Generations", Appl. Phys., Vol. 39, pp.1442-1456, 2000.
[10] V. I. Arnold and A. Avez, "古典力学のエルゴード問題", 吉岡書店, pp.281, 1972.

非一様乱数を使ったモンテカルロ法について

李佳(M1)

摘要

20130725-李佳さん.jpg非一様乱数 tan(nαπ) を使って無限積分を計算するモンテカルロ法について,実験結果を報告します.

(2013.7/25)

参考文献
[1]”Chaotic Monte Carlo Computation: A Dynamical Effect of Random-Number Generation”, Ken Umeno, Jpn. J. Appl. Phys, Vol.39, pp. 1442-1456(2000)
[2]”Superposition of chaotic processes with convergence to Lévy's stable law", Ken Umeno, Physical Review E (Statistical Physics, Plasmas, Fluids, and Related Interdisciplinary Topics), Volume 58, Issue 2, August 1998, pp.2644-2647

2013年7月11日(木)研究会

一方向回転性をもつ剛体の数値シミュレーション

森山慧(M3)

摘要

P7110432.jpg前回は、底面が2次曲面である剛体をなめらかな床の上で回したときのモデルの線型安定性と数値シミュレーションについて話した。その数値シミュレーションによって、一方向のみに回転するわけではなく、何度も反転しうるという、線型安定性の範囲ではわからなかったことが示された。今回は、この現象の理解を深めるために行ったいくつかの数値シミュレーションについて話す。

(2013.7/11)

参考文献
[1]L. Franti, "On the rotational dynamics of the Rattleback", arXiv:1202.6506v1
[2]H. Bondi, "The rigid body dynamics of unidirectional spin", 1986 Proceedings of the Royal Society of London for the Improvement of Natural Knowledge

非一様乱数を用いたモンテカルロ計算の性能とその評価法について

入江哲史(M2)

摘要

P7110434.jpg現在研究中のモンテカルロ法は非一様分布の数列を使用したモンテカルロ法の一つです。モンテカルロ法は、金融工学、CG、量子力学やORといった様々な分野で活用されている手法です。
今回の発表では、非一様乱数を用いたモンテカルロ計算の性能とその評価法について一般的なモンテカルロ計算の評価法と比較しながら述べます。

(2013.7/11)

参考文献
[1]”Chaotic Monte Carlo Computation: A Dynamical Effect of Random-Number Generation”, Ken Umeno, Jpn. J. Appl. Phys, Vol.39, pp. 1442-1456(2000)
[2]”Multidimensional Uniformity of Pseudorandom and Quasirandom Sequence”, Takao Tsuda, IPSJ Journal, Vol.41, No.12, pp. 3323-3331(2000)

Catastrophic cascade of failures in interdependent networks

久世友博(M2)

摘要

現在の社会では、ネットワークはそれ単体で存在するのではなく、他のネットワークとも密接に関係している。そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で、ノードの消失の影響はどのように広がるのか。
前回の発表の補足に加え、より現実に近づけたモデルではどのような結果が得られるのか解説します。

(2013.7/11)

参考文献
[1] Buldyrev,S.V., Parshani,R., Paul,G., Stanley,H.E. & Havlin,S. Catastrophic cascade of failures in interdependent networks. Nature 464 (2010) 1025-1028.

2013年7月4日(木)研究会

カオス暗号

五十嵐顕人 准教授

摘要

P7040257.jpg1990年頃からカオスを用いた暗号が提案され研究されてきた。
最初に暗号全般に関して概観し、カオス信号(カオス時系列)を用いた暗号のいくつかの試みを紹介する。

(2013.7/4)

Recursive segmentation procedure based on Akaike information criterion test

佐藤彰洋 助教

Abstract

P7040264.jpgThis study proposes a recursive segmentation procedure for multivariate time series based on Akaike information criterion. The Akaike information criterion, between independently identically distributed multivariate Gaussian samples and two successive segments drawn from different multivariate Gaussian distributions, is used as a discriminator to segment multivariate time series. The bootstrap method is employed in order to evaluate the statistical significance level. The proposed method is performed for an artificial multi-dimensional time series consisting of two segments with different statistics. The log-return time series of currency exchange rates for 30 currency pairs for the period from January 4, 2001 to December 30, 2011 are also divided into 11 segments with the proposed method. This method confirms that some segments correspond to historical events recorded as critical situations.

(2013.7/4)

長距離相互作用系の非平衡統計力学

小川駿(D3)

摘要

P7040268.jpg長距離相互作用系は熱平衡状態へ直ちに緩和せず, 非平衡準定常状態に⻑時間留まり, 有限サイズ効果で平衡状態へ緩和することが知られている[1,2]. この準定常状態はVlasov方程式の安定定常解に対応する.
今回の発表では, 導入部分を中心に説明し, 発表者自身の得た研究内容については, 簡単に概要を紹介する程度に留める.
まず, 長距離相互作用系の統計力学で何が問題になるのか[2,3]を説明する. 次に, この様な系のダイナミクスを良く記述するVlasov方程式とその定常解周りの線形化ダイナミクスについてハミルトニアン平均場モデルを用い, 簡単なレビューを行い[4], 安定性解析を行う. 空間一様な定常解の安定性を必要十分条件で判別する方法は既に知られているが[2], 与えられた空間非一様解のスペクトル安定性とフォーマル安定性を必要十分で判別する方法は知られていなかった. Vlasov方程式の定常解の安定性を判別することは, その解が準定常状態になりうるかどうかを知ることになるので重要である. そこで今回は空間非一様解の安定性を判別する方法を紹介する[5]. ハミルトニアン平均場モデルは大域結合XYモデルであり, 全サイト間の結合係数が等しい模型である. ここまで, ハミルトニアン平均場モデルを用いて行った解析は格子間相互作用が一様ではない一般化ハミルトニアン平均場モデルにもそのまま適用できることを紹介し[5,6], 前回ハミルトニアン平均場モデルを用いて紹介した線形応答[7]や孤立系の臨界現象[8]が格子間相互作用が非一様な系でも同様に見られることを紹介する.

(2013.7/4)

参考文献
[1] J. Barre ́, F. Bouchet, T. Dauxois, S. Ruffo, and Y. Y. Yamaguchi, Physica A 365, 177 (2006).
[2] A. Campa, T. Dauxois, and S. Ruffo, Phys. Rep. 480, 57 (2009).
[3] J. Binney and S. Tremaine, Galactic Dynamics (second edition) (Princeton university press, Princeton, NJ, 2008).
[4] L. D. Landau, J. Phys. U.S.S.R. 10, 25 (1946). Collected papers of L. D. Landau edited by D. T. Haar (Pergamon Press, Oxford, 1965).
[5] SO, Phys. Rev. E 87, 062107 (2013)
[6] R. Bachelard, T. Dauxois, G. De Ninno, S. Ruffo, and F. Staniscia, Phys. Rev. E 83, 061132 (2011).
[7] SO and Y. Y. Yamaguchi, Phys. Rev. E 85, 061115 (2012).
[8] SO, A. Patelli, and Y. Y. Yamaguchi, arXiv:1304.2982.

2013年6月20日(木)研究会

コミュニケーションの基本原理探求から誕生する新しいサイエンスの可能性

梅野健 教授

摘要

P6200124.jpg本タイトルは、講演者が他の発起人 (発起人代表:田中久陽(電気通信大学)) と設立に携わった2011年電子情報通信学会複雑コミュニケーション (CCS : Complex Communication Sciences) 研究会のキックオフ講演会 (2011年9月@神戸) でCCS初代委員長として話をしたタイトルと同じものである。現在、立ち上げの時期を経て研究会とは直接離れたが研究室の研究会で再び取り上げる趣旨は、当時どの様な問題意識でコミュニケーションから新しいサイエンス誕生への研究を進めようとしていたのかの背景説明と、2年前と比較し、その後の研究 (特に、可解カオス、原始根符号、エネルギーと情報) を具体例で示すことで、学生に今どの様な課題が問題となっているのか (つまり重要な問題)、をできるだけ色々なエピソードを交えて伝えることにある。

(2013.6/20)

2013年6月13日(木)研究会  13:00〜 工学部総合校舎4階 406講義室(406, Faculty of Engineering Integrated Research Bldg.)

Using Deterministic Chaos for Superefficient Monte Carlo Simulations

Kung Yao(Distinguished Professor, Electrical Engineering Department, UCLA)

参考文献

20130624_Yao.jpg▲クン・ヤオ教授特別講演 6/24Chen-An Yang, Kung Yao, Ken Umeno and Ezio Biglieri, Using Deterministic Chaos for Superefficient Monte Carlo Simulations, accepted for publication in IEEE Circuits and Systems Magazine (2013).
(2013.6/13)
DSCF1598.jpg

2013年6月6日(木)研究会

スマートなネットワークを目指して

長谷川 晃朗((株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)適応コミュニケーション研究所 スマートネットワーク研究室長)

摘要

130606-hasegawa2.jpg無線通信を含む通信ネットワークは,「通話(電話)」から「データ通信」が可能になることにより,応用先が爆発的に増加しました.
また,通信ネットワーク,デバイスの普及により,様々な「もの」がネットワークでつながり,アプリケーションの新しい使われ方や,新しいアプリケーションが生み出されてきています.
これに伴い,ネットワークの使われ方も単一でシンプルな「通話」から,各アプリケーションが固有の通信を行うため,ネットワークの使われ方は複雑化し,通信量も爆発的に増加しており,これらを支える技術の研究開発も進められています.
このように,ネットワークは「使う側」と「使ってもらう側」との二つの側面があり,これらが互いに影響を与えながら発展しており,片一方だけでなく両側を意識し,大きな一つのシステムとしてとらえる必要があると考えています.
本講演では ATR 適応コミュニケーション研究所で行ってきた/行っている,ネットワークを使う側の技術,およびネットワークを使ってもらう側の技術について紹介と,研究開発を進める上で考えていたことについてお伝したいと思います.

(2013.6/6)

金融機関の市場リスク管理とVaR・ESを通じたリスク計量

磯貝 孝(日本銀行金融機構局 金融高度化センター・企画役)

摘要

130606-isogai2.jpgリーマンショック以降、国際的な自己資本比率規制は、様々な改定が提案され、既に実施されたものも多い。本セミナーでは、市場リスク管理との関連で注目されているリスク量指標の変更、すなわち従来のVaR(value at risk)に替えてES(expected shortfall)を使用すべきという提案に関し、その背景について簡単に整理する。特にVaRやESの計算方法について実際に金融機関で使用されている代表的な手法について説明し、それらの手法に内在される技術的な問題点を整理する。
具体的には、セミナー前半では、これまでのバーゼル自己資本規制の流れ、リーマンショック後に問題となった点などについて簡単に整理する。後半では、リスク量の計測が実際にどの程度正確にできるものなのか、という観点から、リスク評価指標の計算精度と安定性について分析する枠組みを紹介する。リスク管理の実務では、「バックテスト」によるモデルリスクのチェックが基本となっているが、本セミナーでは、比較対象とすべき 「ベンチマーク」を構築し、それとの比較で精度および安定性を複数の計算手法間で比較考察するアプローチを取る。実際にランダムサンプリングによるリスク量計算シミュレーションを行った結果をみながら、リスク計量指標の抜本的な変更に際しては、どのような点に留意すべきなのか整理する。

(2013.6/6)

2013年5月30日(木)研究会

一方向回転性をもつ剛体の安定性解析

森山 慧(M3)

摘要

130530seminar_M3-moriyama.jpg形状主軸と慣性主軸がずれている剛体は、水平な床上である向きに水平回転させると安定して回るが、その逆向きに水平回転させると大きく縦揺れして回転が止まり、その後回転の向きが反転して安定に回るという一方向回転性をもつ。この性質について、剛体と床との接触点の位置ついての微分方程式の線型安定性を調べることで、論じることができる。
今回の発表では、線型安定性解析とそのシミュレーションについて話す。

(2013.5/30)

参考文献
[1]L. Franti, "On the rotational dynamics of the Rattleback", arXiv:1202.6506v1
[2]H. Bondi, "The rigid body dynamics of unidirectional spin", 1986 Proceedings of the Royal Society of London for the Improvement of Natural Knowledge

情報処理とエントロピー生成

岩崎 淳(力学系理論分野 M2)

摘要

130530seminar_M2-iwasaki.jpg熱浴中で測定やフィードバック制御などの情報処理をおこなったときの、相互情報量とエントロピー生成の関係式を導いた論文[1]を紹介する。さらに、[1]では情報処理に伴う擾乱が考慮されていないが、これを擾乱を考慮した系について拡張する。

(2013.5/30)

参考文献
[1]Takahiro Sagawa and Masahito Ueda, "Fluctuation Theorem with Information Exchange: Role of Correlations in Stochastic Thermodynamics," Physical Review Letters 109, 180602(1)-180602(5)<http://prl.aps.org/abstract/PRL/v109/i18/e180602> (2012).

実数値カオス拡散符号を用いたCDMA通信方式

高橋 亮(京都大学大学院 工学研究科 電気工学専攻 先端電気システム論講座 特定助教(産官学連携))

摘要

DSCF1525.jpg決定論的カオスが発見されて以来、その基礎的な性質が多くの研究者によって調べられてきた。それと同時にカオスの応用が活発に議論され、さまざまな提案がされてきた。なかでも初期値鋭敏性や非周期性を利用した暗号や通信への応用は特に盛んに議論され、従来よりも高度に暗号化された、セキュアかつ大容量の情報伝送を実現する新たな通信システムのデザインとして注目を集めている。
講演者はこれまでカオスを利用した大容量かつセキュアな通信方式として、拡散符号にカオス系列を使用した符号分割多元接続(CDMA)通信方式の研究を進めてきた。本講演ではこれまでの研究成果に関する概説を行う。

(2013.5/30)

参考文献
[1] 高橋 亮, 梅野 健,“実数値カオス拡散符号による大容量通信方式”, システム/制御/情報(システム制御情報学会誌), vol. 55, no. 3, pp. 69–74, 2011.
[2] Ryo Takahashi and Ken Umeno,“Performance Analysis of Complex CDMA Using Complex Chaotic Spreading Sequence with Constant Power”, IEICE Trans. Fundamentals, vol. E92-A, no. 12, pp. 3394–3397, 2009.
[3] Ryo Takahashi and Ken Umeno,“Performance Evaluation of Indoor Power Line Communication Using Chaos CDMA”, 2013 SIAM Conference on Applications of Dynamical Systems, Snowbird, Utah, USA, May 19-23, 2013.

2013年5月23日(木)研究会

卒業論文とモンテカルロ法紹介

李 佳(M1)

摘要

まず、私の卒業論文「恒泰长财证券有限责任公司网站建设方案及实施策略研究」を紹介します。この論文に筆者が恒泰長財証券有限責任会社のサイトに着手して、サイトの構造、サイトの機能、サイトの内容、webページデザイン、アクセス状況のいくつかの方面を分析するのは、サイトの現在の建設が不足を捜し出すためです。また、建設案を提出します。
次にモンテカルロ法の基礎知識を紹介して、「モンテカルロ法によるオプション価格決定」という論文を紹介することを通じて、モンテカルロ法とファイナンスの組み合わせを分析します。
最後に、自分のモンテカルロ法とバブルを組み合わせの研究を展望します。

(2013.5/23)

参考文献
[1] 汪祖蕾.当前中国证券行业信息化建设存在的问题.[J].安徽大学学报.2005,29(3): 140-142
[2] 于静潇.国信证券新一代鑫网信息系统的设计与实现.[D].北京:北京邮电大学软件工程系,2006
[3] 李松.管理信息系统实用教程.[M].北京大学出版社,2008:163-165
[4] 张基温,王一平.信息系统开发案例. [M].清华大学出版社,2002:45-58
[5] 郑旭.银河证券网上交易的现状问题及对策研究.[D].大连:东北财经大学企业管理系, 2007
[6] 魏自恩.中国银河证券网上交易统一认证系统的设计与实施.[D].北京:北京邮电大学软件工程系,2005
[7] 王锦炎.中国证券电子商务发展现状与分析.[D]. 北京:对外经济贸易大学高级管理人员工商管理系,2007
[8] 孙臻哲.证券公司交易服务模式发展及创新.[D].上海交通大学工商管理系,2002
[9] 孙茂.证券公司网站信息服务的管理战略.[D].华东师范大学情报系,2005
[10] 翟萍.中小企业信息化实施策略探讨.[D].天津大学管理学院,2006
[11] 张海芳.中银国际证券统一信息管理系统.[D].北京邮电大学软件工程系,2004
[12] 刘兰娟.证券公司信息化建设策略.[J].商业时代.2005,(9) :48-49
[13] 黄艳,曾路.证券电子商务模式下券商的营销运作新挑战.[J].黎明职业大学学报.2001, (30):23-28
[14] 方少东.证券营业部信息系统的风险分析与安全管理.[D].上海交通大学计算机技术系, 2005
[15] 「モンテカルロ法によるオプション価格決定」(森平、OR学会誌1996年11月号、614-619)

原子時系発生システムの安定化と高精度化

亀山 慎吾(研究生)

摘要

原子時系とは原子時計に基づいて刻まれる時刻である。天文観測から得られる時系に代わり、世界の標準時として使われるようになった。
発表ではまずはじめに、原子時系がどのようなものかについて簡単に説明し、実際に用いられるアルゴリズムについて述べる。
次にアルゴリズムで用いられるパラメータの変化により、原子時系の安定度がどのように変化したかについて述べ、最後に今後の展望についても簡単にまとめたい。

(2013.5/23)

参考文献
[1] Yuko Hanado, “A study for upgrading of an atomic timescale generating system”, 博士論文, 電気通信大学, (2008).
[2] Takao Morikawa, “Basic Measures of Time and Frequency Standards”, 通信総合研究所季報, Vol.49, Nos.1/2, (2003), pp.9-14.
[3] Y.Hanado, M.Imae, M.Aida, M.Hosokawa, H.Ito, F.Nakagawa, and Y.Shimizu, “Generation and Dissemination of Time and Frequency Standard”, 通信総合研究所季報, Vol.49, Nos.1/2, (2003), pp.145-156.
[4] Michito Image, “Atomic Time Scale and Frequency Standards”, 通信総合研究所季報, Vol.45, Nos.1/2, (1999), pp.19-26.
[5] K.Yoshimura, “Calculation of Unbiased Clock-Variances in Uncalibrated Atomic Time Scale Algorithms”, Metrologia, Vol.16, pp.133-139, (1980)
[6] M. Weiss and T.Weissert, “AT2, A New Time Scale Algorithm : AT1 Plus Frequency Variance”, Metrologia, Vol.28, (1991), pp.65-74.
[7] Symmetricom web ページ (http://www.symmetricom/products/frequency-references/cesium-frequency-standard/5071A/)

2013年5月16日(木)研究会

Froeschlé 写像を用いたハミルトン系カオスの解析

大久保 健一(M1)

摘要

Froeschlé写像によるArnold web の可視化を通じてハミルトン系カオスの数値解析を行った。まずはじめにFroeschlé写像を用いたFLIダイアグラムを紹介する。FLIダイアグ ラムによって初期点がカオス領域かKAMトーラスか共鳴トーラスに属するか判断できる。このことからArnold 拡散とChirikov拡散の数値解析が可能になった。次にChirikoc拡散とArnold拡散のゆらぎ数値解析に加えてArnold拡散では大域的拡散と局所的拡散では拡散の種類が異なっていることを示す。さらにChirikov拡散とArnold拡散の距離に関する分布関数を評価した。

(2013.5/16)

参考文献
(1) Soya Shinkai and Yoji Aizawa. 1=f Spectrum and 1-Stable Law in One-Dimensional Intermittent Map with Uniform Invariant Measure and Nekhoroshev Stability. J. Phys. Soc. Japan, 81, 024009, 2012.
(2) Soya Shinkai and Yoji Aizawa. Ergodic Properties of the Log-Weibull Map with an Infinite Measure. In Let’s Face Chaos through Nonlinear Dynamics, 219–222. AIP, 2008.
(3) Soya Shinkai and Yoji Aizawa. The Lempel-Ziv Complexity in Infinite Ergodic Systems. J. Korean Phys. Soc., 50, 261–266, 2007.
(4) Soya Shinkai and Yoji Aizawa. The Lempel-Ziv Complexity of Non-Stationary Chaos in Infinite Ergodic Cases. Prog. Theor. Phys., 116, 503–515, 2006.
(5) Soya Shinkai and Yoji Aizawa. The Lempel-Ziv Complexity of 1=f Spectral Chaos and the Infinite Ergodic Theory. Journal of Physics: Conference Series, 31, 213–214, 2006.
(6) Soya Shinkai.無限エルゴード系の特異ゆらぎとハミルトン系の異常緩和の解明. PhD thesis, 早稲田大学,2012.

最短路問題に対するALTアルゴリズムの高速化

清水 智広(M1)

摘要

最短路問題(Shortest Path problem, SP)とは、グラフ理論において古くから考えられている問題で、始点から終点までの移動時間が最短となるパスとその移動時間を求める問題である。現在、この問題に対して様々なアルゴリズムが提案されており、その中でも有名なものとしてDijkstra法が挙げられるが、近年ランドマークによる前処理を用いたものとしてALTアルゴリズムが提唱された。
本研究では、このアルゴリズムをより効率的な経路探索を行えるよう改良することで、従来法と比べて50%程度の高速化を実現した。

①簡単な自己紹介と古巣のご紹介をいたします。(5分)
②上述の卒業論文にて扱った内容をご紹介いたします。(20分)
③加えて今後の研究のテーマ候補を漠然とですが述べさせていただきます。(10分)

(2013.5/16)

参考文献
[1] E. W. Dijkstra. A note on two problems in connection with graphs. Numeriche Mathe-matik, vol. 1, 269-271, 1959.
[2] P. E. Hart, N. J. Nilsson, and B. Raphael. A formal basis for the heuristic determination of minimum cost paths. IEEE Transactions Systems Science and Cybernetics, vol. 4, no. 2, 100-107, 1968.
[3] Andrew V. Goldberg and Chris Harrelson. Computing the shortest path: A* search meets graph theory. Proc. SODA 2005, 156-165, 2005.

パワー一定カオス拡散符号を用いたCDMA通信の性能評価:ルベーグスペクトラムフィルタの適用

猶原 僚也(M1)

摘要

まず初めにCDMA通信モデルの概要について解説する。
その後、非同期CDMAで現在用いられている拡散符号(Gold符号)と、今回用いたカオス拡散符号(教授が提案された符号の変形ver.も作ってみました)の比較を行い、後者の方が実用的であることを説明する。
次に、非同期時に有効であるフィルタ(Lebesgue-Spectrum-Filter)を同期CDMAモデルにフェージング(自身の信号の反射)を組み込んだ場合にも適応してみたところ、フェージングが強いときだけ有効であったことを報告する。 

(2013.5/16)

参考文献
[1] Institute of Systems,Control and Information Engineers “実数値カオス拡散符号による大容量通信方式” Ryo Takahashi, Ken Umeno(2011)
[2] IEICE TRANS.FUNDAMENTALS.VOL.E85-A NO.4 APRIL “Construction of Optimal Chaotic Spreading Sequence Using Lebesgue Spectrum Filter” Ken UMENO and Akihiro YAMAGUCHI, Regular Members(2002)
[3] Fundamental Theory and Applications,VOL.48.No9 “Design of Spread-Spectrum Sequences Using Chaotic Dynamical Systems and Ergodic Theory”(2001)
[4] The Institute of Electronics Information and Communication Engineers “複素ルベーグスペクトラムフィルタを適応した符号の評価” 行田悦資、高橋亮、梅野健
[5] ELECTRONICS LETTERS 24th June 1999 Vol.35 No.13 “Interference minimisation by autocorrelation shaping in asynchronous DS-CDMA systems : chaos-based spreading is nearly optimal” G.Mazzini, R.Rovatti and G.Setti
[6] IEEE 2000 “Optimal Chaotic Spread Spectrum Sequences for Uplink CDMA Systems” Chi-Chung Chen, Kung Yao, Ken Umeno, Ezio Biglieri
[7] IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,Vol.COM 25,No.8,August 1977 “Performance Evaluation for Phase-Coded Spread Spectrum Multiple-Access Communication-Part I : System Analysis” MICHAEL B.PURSLEY

カオス理論に基づく最適化アルゴリズムについて

長崎 大都(M1)

摘要

今回は、3月の学会発表の内容をベースに、今までしてきた研究結果を網羅した発表を行う。
初めに、最適化アルゴリズムへのカオス理論の適用について、また今回取り扱う粒子群最適化法(PSO)について説明する。
その後、ルベーグスペクトラムフィルタ(LSF)をPSOに適用し、性能向上したシミュレーション結果と、その結果についての詳しい考察を行う。ここの考察から、LSFはローカルミニマムの回避という側面から、アルゴリズムの性能向上に寄与しており、また粒子の分散と最適解の精度が大きく関わっていることを説明する。
また最後に、カオス乱数を適用したPSOの性能向上について述べる。

(2013.5/16)

参考文献
[1] J. Kennedy and Russell Eberhart, "Particle Swarm Optimization", IEEE Int Conf. on Neural Network , 4, pp.1942-1948, 1995.
[2] M.A. Abido, "Optimal Design of Power-System Stabilizer Using Particle Swarm Optimizaiton" IEEE Transaction on Energy Convertsion, Vol.17, No.3 pp.206-213, 2002.
[3] K. Iwasaki and H. Aoki, "PSO を用いた多目的最適化手法による電圧無効電力制御", 東海大学紀要工学部, Vol47, No.2, pp.49-54, 2007. 38
[4] K. Umeno and M. Hasegawa, "Solvable Performance of Optimization Neural Networks with Chaotic Noise and Stochastic Noise with Negative Autocorrelation", ICONIP LNCS4984, pp693-702, 2008.
[5] M. Hasegawa, "負の自己相関を持つカオス的ダイナミクスを用いたヒューリスティック解法の性能改善", IEICE Technical Report, NLP, pp.59-64, 2011.
[6] K. Umeno and A. Yamaguchi, "Construction of Optimal Chaotic Spreading Sequence Using Lebesgue Spectrum Filter", IEICE Trans, Vol.E85-A, No.4, pp849-852, 2002.
[7] M. Hasegawa et al, "相互情報量を保持するサロゲートデータを用いたカオスノイズの組み合わせ最適化への有効性の解析", IEICE Trans, E80-A, pp.206-213, 1997.
[8] T. Kato et al, "Performance Improvement of Heuristic Algorithms for Large Scale Combinatorial Optimization Problems using Lebesgue Spectrum Filter", WCCI 2012 IEEE, pp.10-15, 2012.
[9] K. Umeno, "Chaotic Monte Carlo Computation : A Dynamical Effect of Random-Number Generations", Appl. Phys., Vol. 39, pp.1442-1456, 2000.
[10] V. I. Arnold and A. Avez, "古典力学のエルゴード問題", 吉岡書店, pp.281, 1972.

2013年5月9日(木)研究会

確率共鳴に関する研究のまとめと今後の神経科学に関する研究予定

有井 伴樹(M2)

摘要

130509seminar_arii.jpg私は、学部4回生から修士1回生まで確率共鳴の研究をしてきた。
確率共鳴は、系に入力された信号と雑音の相互作用によって出力と信号が同期する現象であり、氷河期が周期的に起こることを説明するために導入された。
冒頭で確率共鳴についての概要を述べ、学部4回生の頃の研究内容「一次元格子状に結合した振動子の確率共鳴」と修士1回生の頃に読んだ論文を紹介する。
次に、入力信号がチェビシェフ多項式で生成されるカオス信号の場合の確率共鳴を取り扱う。
最後に、神経科学に関する研究の動機を述べる。

(2013.5/9)

参考文献
[1] Gammaitoni L., Hanggi P., Jung P. and Marchesoni F., "Stochastic Resonance", Rev. Mod. Phys. 70, 223 (1998).
[2] John F. Linder, Brian K. Meadows, William L. Ditto, Mario E. Inchiosa and Adi R. Bulsara, "Array Enhanced Stochastic Resonance and Spatiotemporal Synchronization", Phys. Rev. Lett. 75, 3 (1994).
[3] M. E. Inchiosa and A. R. Bulsara, "Signal detection statistics of stochastic resonator", Phys. Rev. E, 53, R2021 (1995).
[4] D. J. Watts and S. H. Strogatz, Collective dynamics of ‘small-world’ networks, Nature Vol. 393, P440-442(1998).
[5] M.Perc, Stochastic resonance on excitable small-world networks via a pacemaker, Phys. Rev. E 76, 066203 (2007).
[6] A. L. Barabasi and R. Albert, Emergence of scaling in Random networks, Science 286, 509 (1999).
[7] J. A. Acebron, S. Lozano and A. Arenas, Amplified Signal Response in Scale-Free Networks by Collaborative Signaling, Phys. Rev. Lett. 99, 128701 (2007).
[8] M.Perc, Stochastic resonance on weakly paced scale-free networks, Phys. Rev. E 78, 036105 (2008).
[9] L. Wu, S. Zhu and X. luo, Diversity-induced resonance on weighted scale-free networks, Chaos 20, 033113 (2010).
[10] Yu S, Yang H, Nakahara H, Santos GS, Nikoli? D, Plenz D, “Higher-Order Interaction Characterized in Cortical Activity”, J Neurosci 30, 17514-17526 (2011).

新たなモンテカルロ法 ―イントロダクション―

入江 哲史(M2)

摘要

130509seminar_irie.jpg新たなモンテカルロ法は非一様分布の数列を使用したモンテカルロ法の一つです。モンテカルロ法は、金融工学、CG、量子力学やORといった様々な分野で活用されている手法です。この方法は、従来のモンテカルロ法や準モンテカルロ法の問題点を解決する可能性を秘めています。この研究ではモンテカルロ法より効率的な手法の提案を目指しています。
今回の発表では、モンテカルロ法とは何かについて説明した後、現在までの研究経過を説明します。

(2013.5/9)

参考文献
[ 1 ]”Chaotic Monte Carlo Computation: A Dynamical Effect of Random-Number Generation”, Ken Umeno, Jpn. J. Appl. Phys, Vol.39, pp. 1442-1456(2000) [2]”Multidimensional Uniformity of Pseudorandom and Quasirandom Sequence”, Takao Tsuda, IPSJ Journal, Vol.41, No.12, pp. 3323-3331(2000)

Catastrophic cascade of failures in interdependent networks

久世 友博(M2)

摘要

現在の社会では、ネットワークはそれ単体で存在するのではなく、他のネットワークとも密接に関係している。そこで単一のネットワークではなく複数のネットワークが互いに影響し合う状況下で、ノードの消失の影響はどのように広がるのか。そのモデルを解説します。

(2013.5/9)

参考文献
[1] Buldyrev,S.V., Parshani,R., Paul,G., Stanley,H.E. & Havlin,S. Catastrophic cascade of failures in interdependent network
s. Nature 464 (2010) 1025-1028.
[2] M.E.J.Newman, S.H.Strogatz, D.J.Watts. Random graphs with arbitrary degree distributions and their applications. Phys.Re
v.E64,026118 (2001)

2013年4月25日(木)研究会

Econoinformatics meets Data-Centric Social Sciences

Aki-Hiro Sato

Abstract

Our society has been computerised and globalised due to emergence and spread of information and communication technology (ICT). This enables us to investigate our own socio-economic systems based on large amounts of data on human activities. In this article, methods of treating complexity arising from a vast amount of data, and linking data from different sources, are discussed. Furthermore, several examples are given of studies into the applications of econoinformatics for the Japanese stock exchange, foreign exchange markets, domestic hotel booking data and international flight booking data are shown. It is the main message that spatio-temporal information is a key element to synthesise data from different data sources.

(2013.4/25)

過去の研究会

2012年度(平成24年度)研究会

発表日 発表者 タイトル
2012年6月28日 勝本道哲氏 音響研究からみた理論研究と自然科学への探求(*枠外に詳細記載)
2012年6月21日 佐藤 彰洋 WCCI2012報告+Japanese International Air travels
2012年6月14日 岩田 真聡 パワー一定複素カオス拡散符号を用いたCDMA通信と電力網への応用
2012年6月7日 吉村 玄太 誤り訂正符号の基礎とLDPC符号の構成法・復号法
2012年5月24日 家治川 博 Googleの検索履歴を用いた外国為替市場のボラティリティ予測
2012年5月17日 守田 悠三 音響研究からみた理論研究と自然科学への探求
2012年5月10日 佐藤 彰洋 金融資産のリスク変動計量:日本株式価格の実証分析
2012年4月26日 五十嵐 顕人 複雑ネットワークでの情報通信における経路制御について
2012年4月19日 梅野 健 可解カオス、応用カオスと統計物理

音響研究からみた理論研究と自然科学への探求(*)

日時:2012年6月28日(木) 15:00~17:00
場所:京都大学工学部総合研究8号館1階講義室1(吉田キャンパス)
講師:勝本道哲(株式会社勝本総合研究所代表取締役社長)
概要:放射指向性音響の研究は始まったばかりであり、これまでの波動理論では説明のつかない現象が起こっている。そこで、現象を観察することにより、その現象を説明する研究を開始した。そこでは、研究の基本とはなにか、と考察した際に自然科学の重要性を実感してきたので、本講演では、音響研究からみた理論研究と自然科学への探求に関して講演する。

「非線形・統計力学とその周辺」セミナー

日時:2012年7月19日(木) 13:00〜14:30
場所:京都大学工学部総合研究8号館1階講義室1(吉田キャンパス)
講演者: 大久保 潤(京都大学 情報学研究科 システム科学専攻)
講演題目: 計数統計で「モノ」の数理と「コト」の数理をつなぐ
講演要旨:ある種の確率過程では状態の変化、すなわち「モノ」について記述するために、マスター方程式が使われる。ここでは、その確率過程において特定の遷移が生じた回数、すなわち「コト」についての記述を考えたい。計数統計は「モノ」に対する記述と「コト」に対する記述をつなぐための方法であり、また揺らぎの計算もできるなど、非平衡系の研究に役立つ枠組みでもあ
る。さらに、この枠組みを周期摂動下の問題に用いると、幾何学的位相と呼ばれる数理的な枠組みとの接点も出てくる。本セミナーでは計数統計の基本と、関連するいくつかの話題について紹介したい。

http://f3.acs.i.kyoto-u.ac.jp/NL/